「五大浮世絵師展」上野の森美術館 レビュー|あみゅーぜん

五大浮世絵師展
歌麿 写楽 北斎 広重 国芳

5 STARS of UKIYO-E ARTISTS

2025年5月27日(火)〜7月6日(日)

上野の森美術館

江戸時代を代表する五人の浮世絵師、歌麿、写楽、北斎、広重、歌川国芳の代表作を中心に約140点を紹介する展覧会が上野の森美術館で開催されます。

今回は、「五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」のレビューをお届けします。

「五大浮世絵師展 ―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」ハイライト

美人画の喜多川歌麿、役者絵の東洲斎写楽、あらゆるものを描いた葛飾北斎、名所絵の歌川広重、ユーモラスで大胆な画風の歌川国芳……。

本展では、5人の浮世絵師を一人ずつ取り上げ、それぞれの絵師が得意としたテーマや画風などの特色がわかる 5章構成となっています。

◆喜多川歌麿

美人画の第一人者と呼ばれる、喜多川歌麿(宝暦3?~文化3年/1753?~1806)。

出版元の蔦屋重三郎がスカウトしてからは、専属的に次々と名作を世に出しヒットさせ、大スター絵師になる。

東洲斎写楽

謎多き絵師 東洲斎写楽(生没年不詳)は、寛政6(1794)年のたった10か月の間に約145点の錦絵を制作。

やはり “蔦重” に見いだされ、インパクトある役者絵で人気を博した。

本展では写楽の作画期4期のうち、第1期の大首絵作品が多数、一同に会している。

東洲斎写楽《二世嵐龍蔵の金貸石部金吉》
寛政6(1794)年
展示風景
五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳
2025年5月27日(火)〜7月6日(日)
上野の森美術館

葛飾北斎

今日、世界中で知られるスター浮世絵師である、葛飾北斎(1760~1849)。

安永8(1779)年にデビューしてから、その画業およそ70年。

平均寿命50年という時代。雅号で「画狂老人卍」を名乗る75歳以降も、齢 90まで驚異的な探求と挑戦を続けた絵師。

よく知られる《冨嶽三十六景》シリーズを発表するのは、70歳代に入ってから。

輸入化学顔料を用いた、明るい色刷りの世界も印象的。

北斎の《冨嶽三十六景》と、ほぼ同時期に発表された広重の《東海道五拾三次之内》の両者も比べてみたい。

展示風景
五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳
2025年5月27日(火)〜7月6日(日)
上野の森美術館
葛飾北斎《冨嶽三十六景 武州玉川》
天保2(1831)年頃
展示風景
五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳
2025年5月27日(火)〜7月6日(日)
上野の森美術館
歌川広重

歌川広重(1797~1858)は《東海道五拾三次之内》シリーズで風景画の絵師として一躍有名になった。

パックス・トクガワーナ(Pax Tokugawana)とも呼べる平和な時代、「東海道中膝栗毛」の人気や旅ブームで、本シリーズは大ベストセラーに。

本展ではまた、名所絵以外の作品や、3枚の絵図を組み合わせた大判絵にも注目。

展示風景
五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳
2025年5月27日(火)〜7月6日(日)
上野の森美術館
歌川国芳

歌川国芳(1798~1861)は、文政10(1827)年頃、《通俗水滸伝豪傑百八人之一個》でブレイク。

幽霊や妖怪、文学作品のヒーローまで、豪快な戯画で人々を魅了。

西洋風の表現を採り入れた名所絵、美人画や役者絵も力作揃い。

音声ガイドナビゲーターは、尾上松也

本展の音声ガイドは、来場者全員が無料で利用可能なので、スマートフォンとイヤホンをお忘れなく。

音声ガイドナビゲーターは、尾上松也(歌舞伎俳優)。

五大浮世絵師の作品の魅力、江戸時代の文化などの鑑賞ポイントや、絵師にまつわるエピソードを聞きながら作品を巡れば、さらに理解が深まる、楽しめる。

「五大浮世絵師展 ―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」グッズ

「五⼤浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」公式図録ほか、魅力的なグッズが並ぶ。


※情報は掲載時のものであり、変更されることもあります。詳細は主催者にご確認ください。


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