「ゴッホ展」(東京都美術館) レポート|あみゅーぜん

ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢

2025年9月12日(金)~12月21日(日)

東京都美術館

ファン・ゴッホ家が受け継いできたコレクションに焦点を当て、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の作品を紹介する「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」。

ファン・ゴッホ美術館の作品を中心に、ファン・ゴッホの作品30点以上を含む作品を展覧する本展の見どころを、会場の風景とともにご紹介します。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」レポート

フィンセントを経済的・精神的に支え、その大部分の作品を保管していた弟テオ(テオドルス・ファン・ゴッホ 1857~1891)は有名ですが、本展では作品を受け継ぐテオ、テオの妻、そして息子の系譜もわかりやすく展示されています。

兄の死の半年後に生涯を閉じたテオに代わり、膨大なコレクションを管理、世に出すことに人生を捧げた、その妻ヨー(ヨハンナ・ファン・ゴッホ=ボンゲル 1862~1925)。

フィンセントの作品に囲まれて育った、テオとヨーの息子フィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホ(1890~1978)は、コレクションを散逸させないためにフィンセント・ファン・ゴッホ財団を設立し、美術館の開館に尽力します。

フィンセントやテオがアートや浮世絵など当時のどんな作品を集めたのか(第2章)、作品の売却の記録が生々しい「テオとヨーの会計簿」(第4章)、そして、初来日となるファン・ゴッホの手紙4通(画家アントン・ファン・ラッパルト宛)(第5章)も興味深い注目ポイントです。

本展では家族のコレクションを起点にしつつ、オランダから、パリ、南仏アルル、サン=レミ、パリ近郊のオーヴェール=シュル=オワーズへとフィンセントの画業を俯瞰できる構成となっています。

また、映像や白黒写真が会場随所にあり、ストーリー(キュレーション)の良きガイドとして、展覧会をより楽しませてくれます。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」会場風景より

フィンセント・ファン・ゴッホ
《画家としての自画像》
1887年12月-1888年2月
ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム
(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
Van Gogh Museum, Amsterdam
(Vincent van Gogh Foundation)
フィンセント・ファン・ゴッホ
《グラジオラスとエゾギクを生けた花瓶》
1886年8-9月
ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム
(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
Van Gogh Museum, Amsterdam
(Vincent van Gogh Foundation)
(写真左)フィンセント・ファン・ゴッホ
《グラジオラスとエゾギクを生けた花瓶》
1886年8-9月
ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム
(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
Van Gogh Museum, Amsterdam
(Vincent van Gogh Foundation)
テオ・ファン・ゴッホ、ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲル
『テオ・ファン・ゴッホと
ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルの会計簿』
1889-1925年
ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)
幅14メートルを超える空間で体感するイマーシブ・コーナー

巨大モニターで《花咲くアーモンドの枝》など、ファン・ゴッホ美術館の代表作や、《ひまわり》(SOMPO美術館蔵)の映像も楽しめます。

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」音声ガイド

松下洸平さん(俳優・アーティスト)と中島亜梨沙さん(俳優)がナビゲーターを務める音声ガイドを聞きながら作品を楽しむもよし。

本展ビジュアルと松下洸平さんのサイン
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」ショップ

公式図録をはじめ、コラボレーショングッズなど、本展やゴッホをテーマにしたさまざまなアイテムが購入可能です。


※情報は掲載時のものであり、変更されることもあります。詳細は主催者にご確認ください。


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